久方ぶりに現場の最前線で、みんなと同じように働き、直接お客さんと対峙する環境に身を置いて、改めて、しみじみと、
「飲食業って、いいなー」
と、感じる日々をリアルに過ごしている。
今、僕が入店しているお店が特にそうで、コの字型のキッチンを囲む客席から、お客さんとスタッフが向き合っていて、隔たりはカウンターのみという、臨場感溢れる【コロシアムスタイル】(僕が勝手に名付けた)のお店だからこそ、余計にそう感じる。
自分(お店)で作ったものを、お客さんに提供し、食べてもらうという至極単純な仕事。
の、ように見えるが、それは、仕事の一部を切り取ったに過ぎない。
スタッフが、お客さんと楽しそうに話すのを見て、つくづく思う。
"僕たちは、時間を提供している"のだと。
こんなにキツクて、辛くて、しんどい仕事は、そうそうない。
だけれど、僕たちは、その仕事に惹かれ、選んだ。
自分の時間を、お客さんと共にする仕事。
返って来た、「ありがとう」の嬉しさは、自分が認められた最上級の証。
飲食業は、素晴らしい。
その仕事を好きになり、選んだその瞬間の、あの日の自分に、「お前、やるな!」と言ってあげたい。
「ありがとう」はしんどい。
だけれど、それを貰うと、なぜか自分を好きになれる。