苦しそうな顔で、僕の前を走り抜けようとする子どもに、
「頑張れッ!」
と、声をかけると、グンッとスピードが上がるような事や、自分自身も、誰かの「頑張れッ!」の声で救われたような事が幾度もある。
もう十分に頑張っている人、頑張る場所がない人、苦しんでいる人…
そんな人たちに「頑張れッ!」を言うのは、心苦しい時もある。
だけれど、やっぱり、僕の言う「頑張れッ!」は、「もっとやれ!」の意味ではなくて、走っている人、走り出そうとしている人、走るのを迷っている人、十分に走って足を止めた人…
そんな人たちに言う、これ以上ない励ましの言葉で、応援の言葉として、存在している。が、僕がもし、その人と同じ場所にいるのなら、人に言う「頑張れッ!」ではなく、同じ方向を見て言う言葉を選ぶ。
長い休業期間を経て、営業再開の進路を取ることができた今だから、みんなと一緒に言い合える。そう、
「頑張ろうッ!」
という、共鳴の言葉を。