『モチベーション』と『やる気』。
この2つの言葉は、本来全く別のもので、混同して使っている人があまりにも多い。正解は必ずしも過半数ではないことがよく分かる。
先日もある場所で、「モチベーションじゃなくて、やる気の話しです…」というような説明をしていたら、
「モチベーションもやる気も同じや!モチベーションの和訳がやる気や!」
と言われてしまい、その刹那、
「今のセリフのおかげで新しく何かを始めようとするモチベーションが消滅したけど、やる気を損なうのは自分の意志の強さで何とかしたからッ!」
と叫んで部屋を飛び出し、バイクでも盗んで走り去った挙句、落ち葉に埋もれた空き箱みたいな部屋に飛び込み、子猫のような泣き声で、夢見がちにセンチなため息をつくような尾崎豊の世界に落ちかけたけれど、これをブログのネタにしようと閃いたので止めた。すべてに感謝。無理矢理感謝。奥歯を噛みしめて感謝。
『モチベーション』と『やる気』を、分かりやすいのかどうか分からないけれど例えてしまうと、モチベーションはスクランブルエッグで、やる気はオムレツ。
同じ卵料理だが別のメニューで、それぞれの調理時間も違う。
調理時間が違うっていうのが実はポイントで、それは『モチベーション』と『やる気』を区別する明確な基準と同じ。
基準は時間にある。
●『モチベーション』は「過去」の何かに影響を受けて始めようとするはずみや動機。
●『やる気』は「現在」行っている行動を継続するのに必要な気持ち。
全然違う。けれど繋がっている。
常々僕は、「モチベーションの上げ下げを仕事の理由にするな!」と言っている。
もっと言うと、モチベーションに上がるも下がるもない。あるか、ないかだけ。「はずみが上がる」なんて言葉も、「動機が下がる」なんて言葉もない。
「やる気が起きない」の理由に「モチベーションが…」と言う人が多いが当たり前だ。オムレツを作る際には、一瞬、スクランブルエッグ状態にする必要がある。
スクランブルエッグからのオムレツなので、とにかくスクランブルエッグと上手くお付き合いをしていく必要がある。なんのこっちゃ。
モチベーションの要因は、ハーズバーグの二要因理論が有名だが、オムレツとスクランブルエッグの次にハンバーグまで出てきた感じがハワイアンプレートみたいなので説明しないでおく。
とにかくモチベーションなんて、めちゃくちゃ些細な小さな小さなことで沸き起こる。
新しい靴を履いて出かければ、自分でウキウキできるし、髪形を変えて「その髪型いいね!」なんて言われたりすれば、もっとウキウキする。そういう気持ちを『テンション』と呼んで、僕たちは毎日上げ下げしているはずだ。
テンションが上がった時に思い出せばいい。
「今日の自分なら出来るかも?」と。
それがモチベーションの種火。そうなったら風を起こすだけ。風は待つのではなくて、自分から。種火を持って走り出せば、自分から風を起こすことが出来る。
火が大きくなったら、どんどん薪を足していく。その薪を【やる木】と呼ぶなんて事を、今、偶然思いついた。書き始めると何とかなる。そういうことだ。
『モチベーション』と『やる気』は違う。
分かった上で、その手助けが出来ればいい。一緒に種火を持って走ったり、一緒に薪をくべたり、一緒にフーフーしたり…。
そう、それが、僕のオムレツだ。