2月は、誕生日の月だった。
52歳という、キリの悪いなんとも言えない中途半端な年齢になったわけだけれど、不思議と今年は、これまでで一番多くの人から「おめでとう」のメッセージをいただいた。
べつに「2月25日生まれです!」とアピールしながら過ごしていたわけではない。
ただ、振り返ってみれば、この一年で出会った人の数が圧倒的に増えたことは、大きいと思う。
年齢も職業もバラバラなのに、「この人、凄いな…」と思わせられる人たち(僕のメンターとも呼べる人)に、たくさん出会った。
そういう人たちは総じて、“連絡の仕方”が絶妙。
「特に用事はないけれど、ふと思い出したから」
そんな軽やかさで連絡をくれる。
正直、これまでの僕は違った。
その人のことを思い出しても、用事がなければ連絡なんてしないし、そもそも「わざわざ今じゃなくていいか」と思ってしまうタイプだった。
でも、メンターと呼ぶべき人たちは違う。
「おもむろに」連絡をすることを、ためらわない。
そんなメンターの一人の方が提唱し実践されている考え方がある。
―― “おもむろ最強説”。
おもむろに携帯を取り出し、
おもむろにメッセージを送り、
おもむろに「ありがとう」を伝える。
それは一見、ただの思いつきに見える。
でも実際は、相手の心に“見えない楔”を打ち込む行為
だ。
確かに、ふとした一言が関係を近づけた経験は、僕にもある。
逆に、ほんの数秒の躊躇で、言葉を飲み込んでしまったこともある。
「言えばよかったなぁ」という後悔は、地味に長く残る。黙ったせいで距離が生まれることだってある。
だからこそ、“おもむろに”動ける人は、未来への布石を拾える人なのだと気づいた。
計画的な行動ばかりが未来をつくるわけではない。むしろ、無意識の一瞬の方が、大事な始まりになったりする。
そして、この「おもむろな一瞬」は、たいてい前向きだ。優しさや気づきから芽生える衝動だからだ。
だから僕は、この2月で改めて思った。
思いついたら、すぐ動く。
湧いた気づきは、書きとめる。
そして、“おもむろに”人に連絡する。
面倒くささを理由に、その瞬間を流してしまわないために。
蒔かなければ、芽は出ない。芽が出なければ、育つこともない。
52歳の誕生日に、そんな当たり前のことを、もう一度ちゃんと胸に刻んだ。
“おもむろ”の数を増やそう。
僕を導いてくれる人たちの背中に、少しでも近づくために。
