真似して真似して真似しまくって、それでも真似しきれずに、はみ出した余りの部分。それが個性って呼ばれるんやから、どんどん真似をすればいい。堂々と、とことん真似しまくって、何がはみ出してしまうのかを、自分で知ったらいい。
「一日真似れば一日の真似、一年真似れば一年の真似、一生真似れば本物になる」
と言う言葉を残された宮崎奕保(みやざき えきほ)は、史上最高齢の住職として100歳を過ぎても若い僧と修行を続けた曹洞宗の第78世貫首で、誰も真似のできないような高僧となった。
「考える」から始めてしまう多くの人が絞り出そうとしているオリジナリティ。
そんなものをじーっと待つよりも、真似て出す方が2万倍速い。
真似する人が2万回出している間、「うーん…」と唸って1回を絞り出そうとしている考える人。もったいない時間。
真似する人は、2万回の間に何かコツみたいなものに気づく。
気づきはオリジナリティの萌芽で、「あ、そうか!」が湧いてきたらしめたもの。
2万倍、2万回、2万個…とはそういう数字。
僕の大好きな甲本ヒロトを、ピストルズのジョニー・ロットンと比べる人なんてもういない。
宮崎奕保の言う「本物になる」とは、そういうこと。
「何がはみ出してしまうのか?」
は、やってみないと分からない。
だから、「考える」なんて、後にした方がいい。