大雪だったバレンタインデーの夜、
家に帰り台所に行くと、飾り気のない白い皿の上に、僕の顔の手作りクッキーが置いてあった。
「メッセージとかないんかよ…」
と、独りごちて見たが、少ししてなんとなくほっこりとした気持ちになった。
メッセージは言葉だけではない。いや、言葉じゃ無い方が多いかもしれない。
『頑張っています』という言葉。
『期待しています』という言葉。
『好きです』という言葉。・・・
言葉を求め、言葉を頼りにし、言葉を信じる内に、『感じる』という日本人らしい感性が薄れているのかもしれない。
僕の顔の手作りクッキーは、しっかりと笑っている。
それでいいではないか。
と思った。
ありがとう。