梅雨の晴れ間に、ボウボウになってしまっている小さな庭の草むしりをした。
小さな庭の、更に小さな一角に、アリ達がウジャウジャと発生していた。
このままこの放っておくと、アリ達の生息範囲が家の中まで広がる可能性がある。
アリと同居はマズイ。
という事で、
【アリの巣バスター】をその辺に設置した。
この中の美味しい毒エサを、働きアリ達は巣に持って帰り、それを食べた仲間たちは死んでいく…
僕の目的は『アリ退治』。
アリの目的は『食事』。
一つのモノに、双方別の目的がある。
『死』と『生』がこの小さな箱に凝縮されている。
深い。
そんな事を考えながら、小さな庭に、12個のパラドックスを仕掛けた。
梅雨の晴れ間の朝の話。