「野球中継が延長しましたので、番組内容を繰り下げて放送します。」
AMラジオから聴こえて来るアナウンサーの声。
ん?
『野球中継が』
『延長しましたので』
誰のせいだ?
この言い方だと、『野球中継』という組織があり、そのせいで延長せざる終えなくなったように伝わる。
本来”主体”となるべき放送局が「〜が」を使う事によって、
「僕のせいではなくて、アイツのせい」
という気持ちを内包させている。
「野球中継を延長しましたので、番組内容を繰り下げて放送します。」
「〜を」
にするだけで、
「俺がやった!俺がやったぞ!」
になり、責任の所在が明確になる。
明確になってはいけない何らかの大人の事情が、「〜を」を「〜が」に変えさせた。
せこい。
せこいが多くの場所で耳にする。放送局だけではない。
一つの言葉で心意気が見える。
言葉をなめてはいけない。