【欲張る】と聞いて、良いイメージを持つ人は少ない。
多くの人が、子どもの頃から【欲張る】と怒られていた。
僕もそうだった。
だから僕も同じように、オモチャやお菓子を必要以上に欲しがる子どもに、幾度となく「欲張ってはいけない!」と注意してきた。
2020年の暮れ、ある人に、「欲張ってもいいんだよ。」と突然言われた。
衝撃だった。
中学2年生の時、FMラジオから流れて来たブルーハーツを耳にした日の、世界がひっくり返ったような衝撃を、なぜか思い出した。
「あれも欲しい、これも欲しい。」は、「あれもない、これもない。」ではない。
不足感に集中すると、心が貧しくなってしまう。
貧しい心は、貧しい現実を引き寄せてしまう。
【欲張る】は、理想の具体化。
今、あるものにプラスを描く【欲張る】は、足らずを探す気持ちではない。
そんなことを教えてもらった。
そう言えば、ブルーハーツはこんな歌を唄っている。
…たてまえでも本音でも
本気でも うそっぱちでも
限られた時間の中で
借りものの時間の中で
本物の夢を見るんだ
本物の夢を見るんだ
あれも欲しい これも欲しい
もっと欲しい もっともっと欲しい
あれもしたい これもしたい
もっとしたい もっともっとしたい…
マーシーが作ったこの〔夢〕という曲は、足りないことを一つも嘆いてはいなかった。
「意識を理想に!素晴らしい明日を見ていよう!」
あの頃は、何も分からなかったけれど、ヒロトはそう唄っていたんだと思う。
欲張っていい。
むしろ、欲張ろう!