「ほら!バチが当たったんや!」
頭をぶつけたりすると、オカンは必ず僕に言った。
「悪い行いをすると、必ずそれが自分に返って来る」というような事を幼い頃から言われ続けていたおかげなのかどうか、反社などには所属せず、明るい日差しの下で生活する事が出来ている。あの日のオカン、ありがとう。
幸せと不幸の原因と結果については、今から2,500年ほど前に、お釈迦さまがとても分かりやすく教えてくれている。ナイスお釈迦様!
お釈迦さまの教えを書き残したお経は、7,000巻を超えると言われているが、そのすべてのお経を貫いている根幹に〔因果〕がある。
超絶簡単に言ってしまうと、
「スイカの種をまいたらスイカが生える。リンゴが生えてくることはないんやで!」
ってことで、良いも悪いも、全部自分がまいた種で、まいた種以外の実は成らないよ!と、7000巻を超える経典で、その教えを説かれている。
くどい所の騒ぎではない。
それだけしつこく教えてくれているのにも関わらず、今の感情や状況だけに目を向けるあまり、その行いが、”未来を選んでいる”という心理をすっ飛ばし、悪態をついてしまう。くどいのは僕たちの方だ。
口汚くののしって相手を悲しませたとしても、人に喜ばれ感謝されるような行いをしたとしても、それが巡り巡って返ってくるのは明日かもしれないし、10年先や20年先かもしれない。
いつなのか分からない。
それを求めると、しんどくて苦しくなる。
だから、実は、そんなこと、どうだっていい。
般若心経に影響を受けたジョン・レノンもイマジンの中で、
「Imagine all the people Living for today...(さあ想像してごらん みんなが ただ今を生きているって...)」
と唄っている。
だから、「返って来るからそれを待とう」なんて考えないで、自分が今、本当に心地いいと思う言葉や行いを、自分の為にする。
ほら、なんて利己的なんだろう。
「ありがとう」の言葉も、「ありがとう」の行動も、自分が心地いいと思い、そうする。
そういう利己が巡り巡り、1分後か、明日か、10年後か、30年後に突然返って来る。
返って来たその時、「痛ッ!」と叫ぶのか、「利他ッ!」と叫ぶのかは、利己的な自分の、今の心地いい次第だ。