マッチョさんの剃刀

飲食店で働くすべての人が「この仕事を選んで良かった!」と心から思えるように。

リコは道理で下衆じゃない。

 古代インドにあった、コーサラ国の王パセナーデ王は、自分の愛する妃に、

 

 

 

 「なぁ、なぁ!世の中で、一番好きな人って誰?」

 

 

 

 と、絶対に「王様♡」って言ってくれると思ってニヤニヤしながら聞きました。

 

 

 しかし、妃のマリカは、一瞬「コイツ何聞くねん…」とためらいながらも、自分に嘘が付けず、

 

 

 

 「私がこの世で最も愛しいと思っているのは自分やけど、何か?」

 

 

 

 と正直に答えました。それを聞いたパセナーデ王は、ショックを隠し切れない表情で、動揺しながら、

 

 

 

 「マリカ… そらそうやわな…。実はわいも、自分自身が一番好きやねん…」

 

 

 

 と負けじと言いました。
 

 

 

 それから二人はお釈迦様のもとにいき、正直に悩みを打ち明けました。

 

 

 

 「お釈迦様。あなたは私たちにいつも「利己じゃなくて利他やで!利己はアホで、利他はとにかくナイスやで!」と言われますが、私たちは、それぞれ自分が好きなので、どうしても利己を捨てることができません。」

 

 

 するとお釈迦様は二人に向かって、

 

 

 

 「あなたたちの悩みはもっともなことであーる。自分を一番愛しいと思うことは、人間にとって当たり前のことなのであるのだよ。でもね、それに気がついたらね、他人も、自分同様に大切にしなければならないのだよ。他人の心を傷つけたりしたらアカンのですよ。自分も他人も一体やってことに気づくのだよ。」と諭されたのでした。

 

 


 ”自分も他人も一体”という思考。

 

 

 相手と同じ目線、同じ立場に立つには、相手を理解しないといけない。

 

 

 理解とは、相手に価値を見出すこと。

 

 

 喜ばれることの喜びは、そうすることの喜びと、そうされることの喜びが重なりあって積み上がる価値のスパイラル。

 

 

 それは、利他を求めたから生まれたものではなく、自分の「心地よく」がそうさせたものだと、2,500年前のお釈迦様が説法で言われている。

 

 

 パセナーデ王も、マリカ妃も安心したはずだ。

 

 

 自分の気持ちを隠し通し、かせた義務に縛られて苦しくなる必要なんてない。

 

 

 大丈夫、自分が好きの始まりで、いい。

 

 

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