〔前にのめらせる〕
この表現を使った本人は、言語を勢いで片づけてしまう感覚の持ち主なので、書いてしまったこの言葉の意味を恐らく理解していないだろうけれど、僕はこの〔前にのめらせる〕をとても気に入ってしまい、「俺にこれをくれ!」と申し出て、キョトンとする本人を尻目に、無理やり強奪させてもらった。
なので今後は、僕がこの表現のルーツとして、前にのめらせていく事にする。
〔のめり〕は元々、前に倒す〔のめす〕という言葉の受動的な表現で〔前のめりになる〕は、環境由来の言葉だ。
その逆に〔前にのめらせる〕は〔前のめりになる〕とは違い、環境ではなく、自分の主体的な行動を表現している。
登り坂であろうが下り坂であろうが、風が吹こうが槍が吹こうが、気持ちで体を前進させようとする〔前にのめらせる〕。
心に芽生えた興味や関心に、つい躊躇してしまう時。
「~してもらってない」と、有るモノより無いものを数えてしまう時。
「俺なんか…」と、人と比べて自分が小さく見えてしまった時。…
自分で作ってしまう向かい風には、自分で立ち向かうしかない。
そんな姿や気持ちをひっくるめた心意気を〔前にのめらせる〕と呼ぶ。
遠慮はしなくていい。
そう、前にのめらせよう!