マッチョさんの剃刀

飲食店で働くすべての人が「この仕事を選んで良かった!」と心から思えるように。

はい、1万円!

 「はい、1万円!」

 

 

 高2の長女が嬉しそうな顔で学校からもらって来たプリントを渡してきた。

 

 

 何のことか分からずに、手にしたプリントを見ると「91位」と書かれている。

 

 

 そうだ、思い出した。

 

 

 1年ほど前、240人中205位という成績にタメ息をついていた娘に、

 

 

 「100位以内に入ったら1万円あげるわ!ワハハハハーッ!」

 

 

 と、「君には無理や、そんなもん…」を含んだ言い方で言い放った事を。

 

 

 「いつでもいいから、1万円。次も頑張るわ。」

 

 

 「え?次も1万円!?」

 

 

 「今度はもういい。行きたい大学みつけたし、そこ行くのに、もっと頑張らんとアカンと思ったし。」

 

 

 うろたえる僕に、長女はサラっとそう言いのけながら、洗面所に入って行った。

 

 

 僕はプリントをもう一度ながら、「そうか、そうか」と心の中で頷いた。

 

 

 

 何かが出来たら「これあげる!」みたいな報酬やご褒美みたいなものは、クセになるとか、意味がないとか、ダメな事のように言われがちだけれど、僕はそうは思わない。

 

 

 意味なんて、経験の中で分かったり、掴んだりするものだと思っている。

 

 

 やるきっかけや過程なんて、どんな理由でもいい。

 

 

 要は、やればいい。そして、やりきればいい。

 

 

 

 長女と約束をした1万円札に描かれた福沢諭吉は、こんな言葉を残している。

 

 

 「行為する者にとって、行為せざる者は最も過激な批判者である。」

 

 

 と。

 

 

 そう、要は、やればいい。そして、やりきればいい。

 

 

 僕もまだまだ経験できる。

 

 

 よし、やろう!

 

 

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