一位が決まったということは、自分たちがそうではないと決まったということで、決して争っている訳ではないのだけれど、やはりそれは、悔しい気持ちが渦巻く瞬間であるのは、誰にでも分かることだと思う。
あの瞬間、僕の目に飛び込んできたのは、最優秀賞を掴み、喜びの涙を溢れさせる隣で、それを、笑顔で称える、一人のスタッフの姿だった。
自分の中にある、別の感情を仕舞い、相手を称える姿勢。
彼女は壇上で、「姿勢」について語り、それが、発表のためのものではないことを、スポットライトから外れた場所で示してくれた。
何よりも眩い、忘己利他(もうこりた)が、そこにあった。
在り方は、いつも、自分でしか作れない。
「どういう自分で在りたいか」は、自分でしか決められない。
それは、頑張るよりも先で、とても大事なことだと思っている。
僕も、「そう在りたい」と、自分の中にしっかりと刻んだ。