仕事先の今の状態が当たり前になり、
初めてその場所に行ってから慣れるまでの、
あの何とも言えない孤独感を忘れてはいけないと、
僕は出来るだけ進んで、全く知らない新しい環境に身を置き、あの何とも言えない空気を感じるようにしている。
そこに居る事が当然の人だらけの中で、新しい人はポツリと浮く。
ポツリと浮く中で、『あの人』や『この人』などと呼ばれ、益々孤独感を感じる。
誰もが始めは感じるそんな気持ちを忘れてはいけない。
忘れるから、『あの人』や『この人』なんて呼ぶのだ。
そこに居る事が当然の人は、新しい人を同じような気持ちにさせない使命がある。と僕は思う。
ならば名前を呼ぼう。
いちいち名前を呼ぼう。
「おはよう!」や「こんにちわ!」だけではなく、
「○○クン、おはよう!」
「○○さん、こんにちは!」
と言おう。
「あれ取って!」や「ちょっと来て!」ではなく、
「○○、あれ取って!」
「○○、ちょっと来て!」
と言おう。
名前を呼んでもらえるという事が、新しい人の孤独感をどれだけ癒すか。
【来たけれどスグに来なくなってしまった率】をどれだけ下げるか。
新しい場所で、僕の事を誰も知らない環境の中に身を置いている僕をどうにか救っているのは、そこにある。
だから名前を呼ぼう。
いちいち名前を呼ぼう。
転校生だった僕の名前を最初に呼んでくれた彼の事を、未だにしっかり覚えている。
名前を呼ぼう。